同じことはヨーロッパで最も恵まれない農村地域にも起こりうるだろうか。あるハンガリーの村がこれを試みようしている。ボードヴァレンケ村の住民はその大半がロマで、ハンガリー北東部スロヴァキア国境の村に観光客を呼び込むために情熱的で繊細なジプシーの芸術を利用している。村の家々の壁をフラスコ画(*1)で飾る試みは2009年から始まり、美しい景観を作り出している。
セルビアのゾラン・タイロヴィッチら著名なロマのアーティストが絵を描くために招かれた。フラスコ画がボードヴァレンケ村の住民の手によるものではないことはさして問題ではない。この7月31日に開催されたF1ハンガリー・グランプリを記念してか、フレスコ画の一つに疾走するF1カーが付け加えられている。この模様はyoutube(*2)で見られる。描き方がやや雑な感じがするが、おそらくこれによって新たに村を訪れる客もいるだろう。
ボードヴァレンケを芸術の村にしようというアイデアは数年前に活動家エステル・パーストルがハンガリアン・ガード(ハンガリー人のための極右団体)のデモ行進に触発されて提言したと言われている。
ボードヴァレンケ村のプロジェクトは、貧しい農村地帯を経済の主流に組み入れようとする新たな試みだ。近くにあるアグテレクの洞窟群も村に観光客を呼び寄せるのに役立つだろう。フレスコ画には、白いドレスの花嫁や馬、天使やロマの伝説から取ったものなど独特の題材が含まれるが、こうしたほかでは見られない珍しいものこそが観光収入につながるに違いない。
*1) フラスコ画(*1)
*2) youtube(*2)
(市橋雄二/2011.8.20)
